Elementorで右マージンが効かない？CSSを使った簡単な解決法を解説

WordPressのページビルダープラグイン「Elementor」でレイアウトを作成していると、時々「なぜか右側のマージンだけが反映されない…」という現象に遭遇することがあります。

数値をしっかり設定しているのに、右側だけスペースが空かずに困ってしまった経験はありませんか？

実はこの問題、多くの場合、Elementorのコンテナの「幅」の設定が原因です。

今回は、添付されたQ&Aのやり取りを元に、この問題の原因と誰でも簡単にできる解決策を分かりやすく解説します。

なぜ？Elementorで右マージンだけが効かない原因

「コンテナに左右40pxのマージンを設定したのに、右側だけ効かない」という問題。開発者ツールで確認すると、CSSのmarginプロパティは確かに設定されているのに、実際の表示には反映されていません。

この現象が起こる主な原因は、コンテナの幅（width）が100%に設定されているからです。

Elementorのコンテナは、デフォルトで親要素いっぱいに広がるようにwidth: 100%が設定されています。この「幅100%」の状態に、さらに「右マージン40px」を追加しようとすると、合計で「100% + 40px」となり、親要素の領域からはみ出してしまいます。その結果、はみ出した右マージンは表示されなくなってしまうのです。

【解決策】カスタムCSSでコンテナの幅を上書きしよう！

この問題を解決するには、コンテナの幅の設定を上書きし、マージンが確保されるようにしてあげる必要があります。
CSSと聞くと難しく感じるかもしれませんが、Elementorならたった一言入力するだけで解決できます。

手順

1. 対象のコンテナを選択
   マージンを設定したいコンテナウィジェットをクリックして、編集画面を開きます。
2. 「高度な設定」タブでマージンを入力
   まず、通常通り「高度な設定」タブを開き、「マージン」に適用したい数値を入力します。（例：右に40px、左に40px）
3. カスタムCSSで幅を「initial」または「auto」に
   ここが一番のポイントです。
   「レイアウト」セクションにある「幅」のドロップダウンを「カスタム」に変更します。
   するとすぐ下にテキスト入力欄が表示されるので、そこに initial または auto と入力してください。

たったこれだけで、無視されていた右マージンが正しく表示されるようになります。

なぜ「initial」や「auto」で解決するのか？

• initial: CSSプロパティをそのプロパティの初期値に戻します。widthの初期値はautoなので、結果的にautoを指定するのと同じことになります。
• auto: ブラウザが要素の幅を自動的に計算します。これにより、指定したマージンを考慮した上で、残りの利用可能なスペースを要素の幅としてくれるため、レイアウトが崩れなくなります。

Elementorが内部で設定しているwidth: 100%を、このinitialやautoで上書き（リセット）することが、この問題の解決策なのです。

【補足】その他の解決策

今回の方法が最もシンプルですが、他にも解決策はあります。

1. calc()関数を使う方法
   カスタムCSSの幅にcalc(100% - 80px)のように計算式を入力する方法です（左右40pxずつの場合）。これも有効ですが、マージン量が変わるたびに計算し直す必要があり、initialに比べると少し手間がかかります。
2. コンテナを入れ子にする方法
   CSSを使わずに、構造で解決する方法です。
   • 親コンテナ: 背景色などを設定せず、パディングで左右にスペース（例: 40px）を作ります。
   • 子コンテナ: 親コンテナの中に入れ、こちらに背景色やコンテンツを配置し、幅を100%にします。
     この方法でも同様のレイアウトを実現できます。

まとめ

Elementorで右マージンが効かない問題は、多くの人がつまずきやすいポイントです。しかし、原因と対処法を知っていれば何も怖いことはありません。

問題： コンテナのwidthが100%のため、右マージンがはみ出してしまう。
解決策：

1. 通常通り「高度な設定」でマージンを入力する。
2. 「レイアウト」の「幅」をカスタムにし、入力欄に initial または auto と入力する。

この簡単な一手間で、意図した通りのレイアウトをスムーズに作成できるようになります。ぜひ試してみてください。